
「病院の集患が思うように伸びない…」
「クリニックの新規患者の獲得に悩んでいる…」
近年、医療機関を取り巻く環境は変化し、患者獲得競争が激化しています。多くの人がスマートフォンで病院検索を行うようになり、Googleマップで検索結果の上位に表示されるかどうかが、集患に大きく影響するようになりました。そこで重要になってくるのが、MEO対策です。
この記事では、病院やクリニックがMEO対策を行うことの重要性、具体的な対策方法、効果的なポイントを解説します。Googleビジネスプロフィールの活用方法なども含めて、初心者の方にもわかりやすく説明していきますので、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
病院・歯科にMEO対策が重要な理由
近年、スマートフォンの普及により、多くの人が病院や歯科を探す際にGoogleマップを利用するようになりました。この流れによって、Googleマップでの表示順位が、集患数増加に影響するようになっています。この理由として、Googleマップで検索する人の多くは、自分の近くにある病院や歯科を探しているからです。
検索キーワードの例として「近くの耳鼻咽喉科」「駅近の内科」「24時間診療の歯科」といったものがあります。ユーザーは、上位表示された医院のなかから比較検討します。そのため、病院や歯科もGoogleマップで検索されるキーワードで上位表示されるための対策が重要です。
病院・歯科がMEO対策を行うメリット

MEO対策により、病院や歯科はさまざまなメリットを得られます。具体的なメリットは以下の通りです。
- Googleマップ経由のお客さまを増やせる
- 来店確率の高いユーザーにアピールできる
- 基本的には無料で利用できる
- 小規模な病院や歯科やクリニックでも上位表示を目指せる
Googleマップ経由のお客さまを増やせる
MEO対策により、ユーザーはGoogleマップで病院や歯科を見つけやすくなります。これまで、口コミでしか集客方法がなかった病院や歯科も、Googleマップを通じて多くのユーザーに認知されるようになってきました。Googleマップで検索している患者は、検索意図が明確で、来院する意思が高い層です。検索後は、Googleマップが持つ「経路案内機能」を利用して来院してもらえます。
来院確率の高いユーザーにアピールできる
Googleマップで病院や歯科を検索するユーザーは、すぐにでも病院に行きたいといった強いニーズを持っています。そのため、Googleマップで上位表示されることで「すぐに来院したい」と考える多くの患者を獲得できる可能性が高まります。また、Googleマップでは、病院の営業時間、電話番号、住所などの情報を掲載できるため、ユーザーはすぐに病院に連絡を取ったり、来院したりできます。
基本的には無料で利用できる
Googleビジネスプロフィールは、基本的には無料で利用できるサービスです。そのため、費用をかけずに病院やホームページ情報をGoogleマップに掲載できます。もちろん、より効果的にMEO対策を行いたい場合は、費用をかけて専門業者に依頼するなどの方法もあります。
小規模な病院やクリニックでも上位表示を目指せる
MEO対策は、大規模な病院だけでなく、小規模な病院やクリニックでも効果を発揮します。SEO対策と異なり、サイトの規模やドメインパワーに左右されにくい点が特徴です。地域密着型の病院であれば、しっかりとMEO対策を行うことで、競合他院よりも上位表示を目指し、より多くの患者を獲得できる可能性もあるのです。
病院・歯科がMEO対策を行うデメリット
MEO対策にはメリットだけでなく、いくつかのデメリットも存在します。
- 批判的な口コミが投稿される可能性がある
- クリニックの情報を登録・更新する手間がかかる
事前にデメリットを理解しておくことで、対策をより効果的に行えるでしょう。
批判的な口コミが投稿される可能性がある
Googleマップでは、患者が病院に対して口コミを投稿できます。中には、病院のサービスや対応に不満を持った患者が、批判的な口コミを投稿する場合もあります。批判的な口コミは、病院のイメージを悪化させ、新規患者の獲得を阻害する可能性もあるので注意が必要です。そのため、口コミへの対応は、MEO対策において非常に重要といえます。
クリニックの情報を登録・更新する手間がかかる
Googleビジネスプロフィールに病院の情報を登録し、常に最新の状態に保つには、ある程度の時間と手間がかかります。営業時間、電話番号、住所などの基本情報の変更はもちろんのこと、写真や動画の追加、サービス内容の更新、イベント情報の発信など、定期的な更新が必要です。これらの作業を怠ると、Googleマップの順位が落ちてしまう可能性もあります。また、ユーザーは病院の情報が古くて間違っていると感じてしまうと、来院をやめる可能性も出てくるでしょう。
【画像つき】病院・歯科がMEO対策を始める手順
MEO対策を始めるには、まずGoogleビジネスプロフィールに病院の情報を登録する必要があります。
具体的な手順は以下の通りです。
- ビジネスプロフィールマネージャーにアクセスする
- ビジネス名・ビジネスカテゴリを入力する
- 実店舗の有無を選択する
- 店舗住所を入力する
- 出張型サービスがあるかを選択する
- 電話番号とウェブサイトURLを入力する
- 「オーナー確認」を済ませる
これらの手順に沿っていけば、Webに詳しくない方でもMEO対策を行えます。
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ビジネスプロフィールマネージャーにアクセスする
まずはビジネスプロフィールマネージャーにアクセスし、「Googleにビジネス情報を追加」をクリックしましょう。
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ビジネス名・ビジネスカテゴリを入力する
ここでいうビジネス名とは、店舗の名称またはサービスの名称を指します。入力したビジネス名・ビジネスカテゴリがGoogleマップに表示されるので、記載間違いがないように注意してください。
ビジネスカテゴリに関して、独自カテゴリの作成はできません。カテゴリを入力するとプルダウンが表示されるので、もっとも近いものを選択します。
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実店舗の有無を選択する
次の画面では、「店舗やオフィスなど、ユーザーが実際に訪れることができる場所を追加しますか?」と実店舗の有無を問われます。実店舗がある場合は「はい」を、無店舗型の場合は「いいえ」を選択しましょう。
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店舗住所を入力する
店舗の住所を入力する項目です。同一住所ですでにGoogleビジネスプロフィールが作られていると、アラート画面が表示されます。内容を確認し、自分の店舗でなければ「これは私のビジネスではありません」を選びます。
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出張型サービスがあるかを選択する
出張型サービスがあるかを選択してください。「商品配達や出張型サービスを提供していますか?」の質問に対して、「はい」または「いいえ」を選択します。
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電話番号とウェブサイトURLを入力する
ユーザーに表示する連絡先として、電話番号やWebサイトを設定します。
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「オーナー確認」を済ませる
Googleビジネスプロフィールで口コミ返信や投稿機能を利用するには、「オーナー確認」を済ませなければいけません。基本的なオーナー確認の方法は、電話・ハガキ・メールの3種類です。「その他のオプション」をクリックすると、SMS(ショートメール)・ライブビデオ・動画の選択肢が増えます。
Googleがオーナー確認の審査をする際は、7営業日ほどかかるケースがあります。オーナー確認の手続き後は審査待ちの時間が発生するため、はやめに手続きを進めておきましょう。
Googleビジネスプロフィールに登録したら、次はMEO対策の具体的な施策を検討していきましょう。
病院・歯科におけるビジネスプロフィールの設定ポイント
病院・歯科における集客力をあげるためのビジネスプロフィールの設定ポイントを紹介します。
- 正確な営業時間情報を登録する
- 業種カテゴリーを適切に選ぶ(内科、歯科、整形外科など)
- 提供しているサービスを具体的に記載する
- 強みや特徴を簡潔にまとめてほかの病院・歯科と差別化する
- 高品質な画像を投稿する(院内や医師の写真など)
- 定期的に投稿する
なかでも業種カテゴリーの設定は重要です。提供しているサービスに近い具体的なカテゴリーを選びましょう。
また、高品質な院内の写真や診療風景を投稿するのも効果的です。新着情報を定期的にアップして、現在提供している医療サービスや専門治療、設備などをアピールしましょう。診察室や待合室の雰囲気、医療機器、スタッフの対応など、細かい部分までわかると信頼につながります。ホームページやSNSのリンクを貼るなど、オンライン予約がしやすい環境を整える工夫も重要です。
MEO対策の仕組み

MEO対策で病院がGoogleマップで上位表示される仕組みには、いくつかの要素が関係しています。その代表的な要素が以下の3つです。
- キーワードとの関連性
- 病院までの距離
- 病院の知名度・視認性の高さ
ユーザーがGoogleマップで病院を探す際に、Googleはこれらの要素を総合的に判断し、検索結果の順位を決定します。
キーワードとの関連性
Googleマップで病院を検索するユーザーが、どのようなキーワードで検索しているのかを分析し、病院のビジネスプロフィールに関連性の高いキーワードを盛り込むことが重要です。例えば、整形外科であれば「首の痛み」「ヘルニア」「手足のしびれ」といったキーワードをビジネスプロフィールに含めることで、これらのキーワードで検索したユーザーに病院が表示される可能性が高まります。
病院・歯科まで距離
Googleマップの特性上、ユーザーの現在地から近い病院ほど、上位表示されやすくなります。これは、ユーザーが「近くの病院を優先的に探している」という行動に基づいています。MEO対策しておけば、ユーザーから近い病院のうち、Googleマップで上位表示される可能性が高まります。
病院・歯科の知名度・視認性の高さ
病院の知名度や視認性が高いほど、上位表示されやすくなります。例えば、有名な病院や、駅前にある病院などは、Googleマップで上位表示されやすい傾向です。また有名病院でない場合も、視認性が重要です。Googleマップ上に表示される病院のアイコンや写真が、魅力的であればあるほど、ユーザーの目に止まりやすくなり、クリック率が向上するでしょう。
病院・歯科におけるMEO対策のキーワード選定方法
MEO対策において、キーワード選定は重要です。適切なキーワードを選定することで、より多くのユーザーに病院を見つけてもらうことができます。キーワード選定を行う際には、以下のポイントを参考にしましょう。
具体例でチェック!病院やクリニックにおすすめのキーワード
病院やクリニックの種類によって、効果的なキーワードは異なります。以下に、いくつかの診療科目に合わせたキーワードの具体例を紹介しましょう。
診療科目 | キーワード例 |
---|---|
内科 | 近くの内科、〇〇駅近 内科、健康診断、人間ドック、予防接種、風邪、インフルエンザ、高血圧、糖尿病 |
歯科 | 歯医者、〇〇駅近 歯医者、歯のホワイトニング、虫歯治療、歯周病治療、入れ歯、親知らず、歯科検診、小児歯科 |
整形外科 | 整形外科、〇〇駅近 整形外科、膝痛、腰痛、肩こり、ぎっくり腰、骨折、脱臼、リハビリ、骨盤矯正 |
皮膚科 | 皮膚科、〇〇駅近 皮膚科、ニキビ、アトピー性皮膚炎、しみ、そばかす、脱毛、美容皮膚科、レーザー治療 |
眼科 | 眼科、〇〇駅近 眼科、コンタクトレンズ、視力検査、ドライアイ、緑内障、白内障、眼科検診、メガネ |
メニュー紹介や概要の文言に、自然な形で差し込むようにしましょう。
【病院・歯科向け】MEO対策で上位表示を目指すコツ

Googleマップで上位表示されるためには、ビジネスプロフィールの情報を充実させるだけでなく、さまざまな工夫が必要です。
具体的なコツは以下の通りです。
- インドアビューを設定する
- 最新情報を投稿機能でお知らせする
- 予約ボタンを作成して導線を整える
- 口コミを集めて積極的に返信する
- クリニックの情報を定期的に更新する
インドアビューを設定する
インドアビューとは、病院の内部を360度見渡せる機能です。待合室、診察室、受付などの写真を掲載することで、ユーザーは病院の雰囲気を事前に理解できます。特に、初めて病院を受診するユーザーにとっては、院内の様子がわかることで安心感につながり、来院を促す効果が期待できるでしょう。
Googleマップのインドアビューは、ヘルプページの「360°写真を作成してGoogleマップに公開する」を参考にしてください。
最新情報を投稿機能でお知らせする
Googleビジネスプロフィールの投稿機能を活用して、病院の最新情報を発信しましょう。例えば「インフルエンザ予防接種の予約が始まりました」「土曜日は午前中のみ診療です」「オンライン診療を開始しました」といったものです。最新情報を投稿することで、ユーザーは季節に合った適切な情報を受け取れ、それが病院の信頼へとつながるでしょう。
予約ボタンを作成して導線を整える
Googleビジネスプロフィールでは、病院のウェブサイトや予約システムに誘導する予約ボタンを作成できます。ユーザーがGoogleマップから簡単に予約できるよう導線を整えることで、来院率が向上するでしょう。オンライン予約システムを導入している病院であれば、予約ができるページへリンクを設定するといった対策でも大丈夫です。
口コミを集めて積極的に返信する
Googleマップでは、患者が病院の口コミを投稿できます。口コミは、初めての方が病院を選ぶ際に参考となるため重要です。また、口コミへ返信することで、患者とのコミュニケーションが生まれるだけでなく、病院への信頼を高める効果が期待できます。
そのため、口コミの返信は、感謝の言葉や、励ましの言葉を心がけましょう。また、患者からの質問や要望に対しては、真摯に対応することが重要です。そのような返信は、病院の対応の丁寧さや、患者の声に耳を傾けている姿勢を示すものとなるため、新規患者獲得にも効果が期待できます。
クリニックの情報を定期的に更新する
Googleビジネスプロフィールに登録した情報は、定期的に更新することが重要です。営業時間、電話番号、住所などの基本情報の変更はもちろんのこと、写真や動画の追加、サービス内容の更新、イベント情報の発信など、常に最新の状態に保つように心がけましょう。
情報が古かったり、間違っていたりすると、ユーザーの不信感を招き、来院をためらう原因となります。定期的に更新することで、ユーザーは病院が最新の情報提供に力を入れていると認識し、信頼感を抱くでしょう。
病院・歯科がMEO対策を行うときの注意点
病院・歯科がMEO対策を行う際に、さらに効果を高めるためのコツを紹介します。
- 不正確な情報を放置する
- 口コミを放置する
- さくらによる口コミ投稿する
- 他の病院のMEO対策を分析する
不正確な情報を放置する
不正確な情報は、Googleのポリシーに違反します。Googleビジネスプロフィールに登録した情報は、常に最新かつ正確なものにしましょう。診療時間、休診日、医師の変更など、病院の状況が変わったらすぐに更新するようにします。Googleには、最新の情報が掲載されているページを上位表示させるアルゴリズムがあるので効果的です。定期更新を心掛け、常に最新情報をアップロードしましょう。
口コミを放置する
Googleは、GoogleマップもSNSの一種と考えています。そのため、口コミなどによる活発なやり取りは、上位表示にプラスに働きます。反対に、口コミを放置するのはマイナス効果です。Googleマップに寄せられた口コミには、丁寧に返信しましょう。来院するか検討中の場合、口コミが決め手となるケースは多いといわれています。潜在的な顧客は口コミの返信もチェックしています。マイナスの口コミがあった場合でも、真摯に対応すれば、信頼が回復する可能性はあります。
さくらによる口コミ投稿する
偽の口コミは、Googleのポリシーに違反します。口コミがMEO対策に効果的であっても、さくらを使った偽の口コミ投稿は避けるようにしましょう。Googleは、偽の口コミを厳しく取り締まっているからです。もし、偽の口コミが投稿されていることが発覚した場合、病院のビジネスプロフィールが削除される可能性もあります。
他の病院のMEO対策を分析する
競合となる他の病院が、どのようなMEO対策を行っているのかを分析しましょう。競合病院のGoogleマップの情報をチェックし、上位表示されている医院のキーワードや掲載している写真を参考にします。また、どのような口コミが寄せられているのかや返信内容などを分析し、自院のMEO対策に活かしましょう。
自分でMEO対策できない場合の対処法
Googleビジネスプロフィールの操作や更新に不安がある場合は、Googleビジネスプロフィールのヘルプページを参照したり、公式ブログをチェックしたりするのが良いでしょう。また、Googleビジネスプロフィールに関する情報は、インターネット上でも多く公開されています。検索して情報収集をするなどして、少しでも多くの知見をためていきましょう。それでも不安な場合は、専門業者に相談してみるのもおすすめです。
病院・歯科のMEO対策にかかる費用

病院のMEO対策にかかる費用の目安をご紹介します。
自分で対応した場合 | 無料 |
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MEO対策業者に依頼した場合 (固定報酬型) |
初期費用:約3~5万円 月額費用:約3~8万円 |
MEO対策業者の費用は「成果報酬型」と「固定報酬型」の2種類に分けられます。成果に応じて費用が発生するのが成果報酬型、月額料金が一定なのが固定報酬型です。費用の目安は、委託範囲や外注業者によって異なります。
まとめ:MEO対策は病院の集客力アップに効果的
この記事では、病院やクリニックがMEO対策を行うことの重要性、具体的な対策方法、効果的なコツなどについて解説しました。Googleマップで上位表示されると、多くの潜在患者に自院を見つけてもらえるため、新規患者獲得のためにMEO対策は欠かせません。この記事で紹介したポイントを参考に、ぜひMEO対策に取り組んでみてください。