「MEO対策での集客施策でインバウンドも取り込めるか知りたい」
「インバウンドに効果があるMEO対策の方法が分からない」
このように、訪日外国人の集客にお悩みの店舗経営者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
新型コロナウイルス感染症による入国制限が解除され、日本への観光客数が以前を上回る勢いで伸びています。外出制限で営業時間短縮や休業を余儀なくされて売上が減少していた実店舗にとって、インバウンド需要の獲得は経営回復のための重要な施策です。
そこで本記事ではGoogleマップを活用したMEO対策による集客がインバウンドにも有効な理由や、具体的な対策方法を紹介します。最後にインバウンド対策の注意点も説明していますので、ぜひ店舗集客向上の参考にしてください。
- MEO対策はインバウンドにも効果があるか知りたい人
- インバウンドにも効果がある設定方法を知りたい人
この記事の目次
MEO対策でのインバウンドとは訪日外国人客のこと
ビジネスの様々な場面で「インバウンド」という言葉が使用されており、業界によって意味するものが異なりますが、外から内に入ってくるものを指す点は同じです。
例えばMEO対策においてインバウンドは訪日外国人客を指しますが、コールセンター業界では受電対応のカスタマーサービスをインバウンドと呼びます。ここでは実店舗におけるインバウンド集客の基礎的な知識を紹介します。
コロナによる制限がなくなりインバウンドは回復傾向
2019年12月に1例目の新型コロナウイルス感染者が確認されてから2020年以降、世界中で外出や入出国が制限されてきました。日本においては2022年11月に外国人への新規入国制限が解除され、徐々にインバウンドが回復してきています。
コロナ禍前の2019年と2022年以降で、インバウンドがどのように推移しているか見てみましょう。
コロナ以前と以後でのインバウンドの推移
新型コロナウイルス感染症が流行する前の2019年と、直近の2022年、2023年においての訪日外国人推移をグラフにしました。
2022年10月に日本で外国人の新規入国制限を解除して以降、順調にインバウンドが戻り2023年12月にはコロナ前の水準に迫る勢いです。コロナによる外出制限で経営に大きな打撃を受けた店舗は、インバウンド需要を掴んで売上をあげるチャンスが広がっていると言えます。
MEO対策はインバウンド施策にもなる
インバウンド需要を狙った集客施策も、GoogleマップでのMEO対策がメインです。日本ではグルメサイトよりもGoogleマップで店舗を探すユーザー数が増加傾向ですが、Googleは海外の市場でもシェアが高い検索エンジンになります。
大きな市場シェアをGoogleが持っていることが、MEO対策の実施がインバウンド需要にも効果があると言える理由です。
MEO対策がインバウンドにも有効な5つの理由
インバウンドの集客にもGoogleマップを活用したMEO対策が効果的と言える理由は、5つあります。検索エンジン市場でGoogleが広く普及していることやサービス提供地域の多さなど、理由は様々です。
以下では、どのような要素がMEO対策の集客に有効に働くのか、詳細を説明します。
Googleが検索エンジンの世界シェア上位のため
検索エンジンの市場で、世界シェア85%前後をGoogleが占めています。以下は、主な検索エンジンのシェア率を表したグラフです。
近年ではMicrosoft社のbingが台頭してきており、Googleの世界シェアは減少傾向にあります。しかし、過去10年にわたり検索エンジンの世界シェアトップを保ち続けてきたGoogleは、減っている中でも8割以上のシェアを保っている状況です。このため、世界中にGoogleのユーザーが大勢いると考えられ、GoogleマップにおけるMEO対策はインバウンド対策にも有効と言えます。
Googleが世界で245の国と地域にサービスを提供しているため
検索エンジン市場で高い世界シェアを持つGoogleは、245の国と地域にサービスを提供しています。外務省が国家として承認している国の数は、日本を含めて196か国です。このことから、日本に入国する外国人旅行客のほとんどが、Googleのサービスを利用できる国から来日していると考えられます。
世界シェアが高く、サービス提供地域も多いことが、GoogleマップによるMEO対策がインバウンド集客に有効と言える理由です。
Googleが自動翻訳に対応しているため
Googleマップで表示される情報は、ユーザーが設定した言語に自動で翻訳されます。つまり店舗が日本語で登録した情報やほかのユーザーによる口コミは、ユーザーが認識できる言語に自動的に変換されて表示されるということです。ユーザーが認識できる言語で口コミが表示されれば、読み飛ばされる確率が下がります。
MEO対策で重視するべきポイントの1つである口コミは、訪日外国人客が対象の集客施策でも重要なポイントです。このため、自動翻訳で多言語表示されるGoogleマップを活用したMEO対策は、インバウンドの集客にも有効と言えます。
事前に口コミを調べる訪日外国人が多いため
来日前の下調べで、口コミを参考にしている訪日外国人が多いこともインバウンドの集客にMEO対策が有効な理由です。以下の表は、訪日外国人が旅行前に調べて役に立った情報源と割合を表しています。
旅行の情報源 | 割合 |
---|---|
SNS | 25.3% |
個人のブログ | 24.1% |
日本に在住の親族・知人 | 19.9% |
動画サイト/自国の親族・知人 | 19.1% |
口コミサイト | 15.7% |
日本政府観光局ホームページ | 11.5% |
旅行専門誌 | 7.1% |
SNSには店舗のPRが含まれますが、ユーザーが口コミを投稿しているケースも考えられます。また、個人ブログや親族・知人からの情報も、店舗を利用したユーザーの感想に該当するため口コミを参考にしているのと同じです。このことから、多くの訪日外国人客が日本政府や旅行専門誌が発信する情報よりも、口コミを参考にしていることが分かります。
Googleマップで店舗を上位表示させるための施策では口コミを重視しているため、インバウンド需要の取り込みにもMEO対策が有効と言えます。
国内と国外の両方をターゲットに集客できるため
日本国内のユーザーとインバウンドのどちらが対象でも、MEO対策の基本的な手法は同じです。MEO対策では国内と国外、両方のユーザーをターゲットにして集客できます。Googleマップの自動翻訳機能をうまく活用すれば、国内と国外で手法を分けずに集客改善を狙えるということです。
どのユーザーを対象にしていても実施するべき施策内容が同一であることが、MEO対策でインバウンド集客できる理由です。
インバウンド施策でもMEO対策の基本が重要
訪日外国人客の集客数向上を狙う場合でも、MEO対策における基本事項の徹底が大切です。MEO対策で上位表示を狙うための基本が抑えられていないと、自店舗が旅行客の検索結果に表示されません。
集客数改善のためにMEO対策で徹底したい基本事項は、8つあります。
- 適切なキーワード選定
- 店舗情報の充実
- NAP情報の統一
- 写真や動画の投稿
- 評価が高い口コミ数
- 口コミへの対応
- こまめな最新情報の発信
- WebサイトのSEO対策強化
対象をインバウンドに絞ったMEO対策の施策では、具体的に何をするべきなのか見ていきましょう。
【2024年最新】MEO対策とは?店舗集客の方法から始め方まで初心者にわかりやすく解説MEO対策におけるインバウンド集客の具体的な方法
インバウンドの集客に注力するための具体的なMEO対策の手法は、5つあります。どのような対策が訪日外国人の集客数向上のために必要か、具体的に見ていきましょう。
Googleビジネスプロフィールで多言語表示にする
最初に、訪日外国人の集客を促進したい国の言語でGoogleビジネスプロフィールの情報が表示されるようにします。設定を変更しなくてもGoogleビジネスプロフィールの一部項目は自動翻訳されますが、正しい表現に変換されない可能性があるためです。
検索結果に日本語でしか情報が表示されない店舗は、外国人向けではないとインバウンドに判断されかねません。機会損失を作らないためには、できるだけ多くの言語でGoogleビジネスプロフィールに正しい情報を表示する対策が必要です。Googleマップ上で複数の言語に対応していれば、訪日外国人の目に店舗の情報が入りやすく、インバウンドを取りこぼしなく集客できます。
多言語表示させる手順
Googleマップ上で自店舗の情報を複数の言語で表示する方法は、以下のようになります。
- 自店舗をGoogleマップで検索
- 画面左側のメニューから「言語」を表示して対象言語を選択
- 選択した言語で情報が正しく表示されているか確認
- 言語を日本語に戻す
- ビジネス名の日本語表記が変更されていたら修正する
上記の手順に従ってGoogleビジネスプロフィールの言語を変えると、ビジネス名の日本語表記まで変更されるケースがあります。このため、インバウンド向けに多言語で表示されるように対策したら、多言語設定した後は、必ず日本語表記が変更になった項目がないかチェックが必要です。
自動翻訳されない情報に英語表記を付ける
自動翻訳されないGoogleビジネスプロフィールの項目には、英語表記を併記しましょう。自動翻訳されない情報だけ日本語のままでは、インバウンドの集客につながらない可能性があるためです。
旅行中に利用する店舗を検索する際、手動で翻訳しなければ分からない情報があると、手間を省くために候補から除外されかねません。英語表記を併記していれば、自店舗が読み飛ばされる心配が少なくなります。
自動翻訳されない項目
自動で言語が翻訳されないGoogleビジネスプロフィールの項目は、4つあります。
- ビジネス名
- ビジネスの説明
- 住所の番地以下
- 商品やメニュー、サービス
これらの項目は日本語と英語表記を並べて表示し、国内外両方のユーザーに店舗を訴求しましょう。
海外向けの旅行アプリに店舗を登録する
ユーザー数が海外でも多い旅行アプリに店舗を登録するのも、インバウンド対策として有効です。訪日外国人客の全員が店舗検索にGoogleマップを利用するわけではなく、旅行アプリで検索するケースも考えられます。
Googleマップだけでなく複数の旅行アプリに店舗を登録していれば、広範囲で訪日外国人客に訴求できるため、集客数増加が見込めるでしょう。
よく利用される旅行アプリ
Googleマップ以外で利用されている主な旅行アプリは、以下の4つです。
- TripAdvisor(トリップアドバイザー)
- Apple Maps(アップルマップ)
- Baidu(バイドゥ)
- Foursquare(フォースクエア)
いずれもユーザー数が多いアプリのため、集客改善に活用しましょう。
利用できるキャッシュレス決済の種類を表示する
訪日外国人が利用しやすいキャッシュレス決済を導入し、Googleマップに掲載するのもインバウンドの集客向上に有効です。以下は、世界各国におけるキャッシュレス決済の比率を比較したグラフです。
諸外国ではキャッシュレス決済の比率が日本より高く、日常生活と同じ決済方法を選べるかが旅行中に訪れる店舗決めの要因になる可能性があります。
キャッシュレス決済の導入にはコストがかかりますが、インバウンド集客数の向上や現金管理の工数削減といったメリットが得られます。全てのキャッシュレス決済に対応するのは難しいため、来店が多い国の旅行客に合わせた決済方法を優先して導入すれば、少ないコストで集客増が期待できるでしょう。
国内と国外の口コミを増やす
MEO対策で集客数向上を狙う際、口コミを増やすことが対策方法に含まれます。口コミが重要な点はインバウンドをターゲットにした集客施策でも同じなため、訪日外国人客の集客には外国語の口コミ増加を目指しましょう。
MEO対策という観点からは日本国内のユーザーからの口コミも重要ですが、同じインバウンドからの口コミのほうが旅行客は参考にしやすい傾向です。同郷のユーザーによるコメントがあれば、好みや文化が近いため自分も同じ体験ができると期待が高まりやすくなります。このため、国内外のユーザーからの口コミを増やせれば、訪日外国人の集客数増加が期待できるでしょう。
MEO対策で口コミを増やして店舗集客力アップ!悪い口コミへの対応方法も解説!インバウンド施策にも口コミが有効な3つの理由
インバウンド向けのMEO対策でも口コミを集めたほうが良い理由は、3つあります。口コミがインバウンド施策に有効な理由が分かればMEO対策も実施しやすくなるため、どのようなことか順に見ていきましょう。
インバウンドの口コミは訪日外国人が参考にする
訪日外国人による口コミは、インバウンドで参考にされやすい傾向があります。日本人には気が付けない視点からの意見である可能性が高いことが、訪日外国人がインバウンドの口コミを参考にする理由です。
反対に日本から海外旅行に行く際、日本人の口コミが多い店舗は「安心して利用できそうだ」と感じるでしょう。似た立場のユーザーからの感想には信頼感があることが、口コミがインバウンド集客でも有効な理由と言えます。
自動翻訳ではない口コミは優先的に表示される
ユーザーが使用する言語で書かれた口コミのほうが先に表示されるのが、Googleマップの仕様です。このため外国語の口コミは自動翻訳されたものよりも、インバウンドの検索結果で上位表示されやすくなります。
旅行で訪れる店舗を探すユーザーに訴求する分母が増えれば、実際の来店につながる客数も増えると予想できます。つまり日本語以外の口コミを増やせたら、優先的に口コミが表示されてインバウンドに来店を促せるということです。
店舗を直接インバウンドに訴求できる点が、訪日外国人客の集客にも口コミが有効な理由になります。
インバウンドの口コミは外国人による検索に表示されやすい
訪日外国人が旅行の前や最中に店舗を調べる際、インバウンドによる口コミが検索結果に表示されやすくなります。インバウンドによる口コミには、日本人が使わないキーワードが含まれることが理由です。
例えば「Umeda Nightlife」などは、日本語での口コミに含まれる可能性は極めて低いと言えます。同じキーワードを使用する可能性が高いことから、訪日外国人の検索結果にインバウンドの口コミが表示されやすくなります。店舗検索の結果に表示される回数が多いと来店につながりやすいことが、口コミがインバウンドの集客向上につながる理由です。
店舗がMEO対策でインバウンド集客するメリット
日本人のみを対象にした集客ではなく、実店舗がインバウンドの集客にMEO対策で力をいれるメリットは、3つあります。インバウンド対策に尽力することで得られる利点がどのようなものか、詳しく見ていきましょう。
集客数を改善できる
MEO対策で狙うターゲットにインバウンドも含めれば、集客改善につながります。対象が日本人のみの施策よりも、MEO対策のターゲットにインバウンドを含めたほうが、見込み客の分母が増えるためです。
見込み客の母数が多ければ、設定したMEO対策のキーワードで店舗を探すユーザーが増えるので集客数の増加が見込めます。インバウンドを対象にしたMEO対策によって集客数が増える分、売上向上も期待できる点が店舗の大きいメリットです。
再来店の可能性が高い
日本への外国人旅行客は、6割以上がリピーターです。以下の表は、訪日外国人客の旅行中の滞在地を集計したグラフになります。
引用: 令和元年訪日外国人消費動向調査【トピックス分析】訪日外国人旅行者(観光・レジャー目的)の訪日回数と消費動向の関係について | ローカルガイド ヘルプ
1回目の訪日で人気が高い都市は東京都や大阪府、京都府ですが、これらの都市は2回目以降の日本旅行でも人気が高い傾向です。このことから、2回目以降の訪日でも1回目と同じ都市に滞在するケースが多く、店舗のリピーターとなる可能性が高いと言えます。
爆買いが期待できる
訪日外国人客による爆買いでの大きな売上が期待できる点も、インバウンドに実店舗への来店を促進するメリットです。リピートの回数を重ねるごとに、日本滞在中の消費額が大きくなる傾向があります。以下は、日本旅行のリピート率が高いアジア4国の消費額を比較したグラフです。
引用: 平成29年訪日外国人消費動向調査【トピックス分析】訪日外国人旅行者の訪日回数と消費動向の関係について | 国土交通省 観光庁
国によって消費額に差はあるものの、2回目以降の旅行で消費額が増えていることが分かります。アジア圏の訪日外国人客はレジャーよりも飲食やショッピングの支出が多いため、MEO対策による集客で売上向上が期待できるでしょう。
インバウンド向けのMEO対策をする際の注意点
インバウンド集客向上のためMEO対策に取り組む際に、気を付けるべき点が2つあります。集客数を改善するためにMEO対策に取り組んでも、注意点を見落としてしまうと効果が薄れてしまいかねません。以下では、何に注意しなくてはいけないのか、ポイントを説明します。
多言語表示されていない項目をなくす
Googleマップには、日本語でしか表示されない項目がある点に注意しましょう。
多言語表示されるようにGoogleマイビジネスで設定しても、肝心のメニューやサービスは自動翻訳されません。自動翻訳されない項目に英語表記を付けていないと、ユーザーが登録している言語と日本語が入り混じって店舗の情報が表示されます。
よほど店舗に興味がないと、わざわざ自分で翻訳ツールを使って意味を調べるとは考えにくいため、利用する店舗の候補から外れてしまいます。このため、Googleマップで自動翻訳されない項目を把握して英語表記を併記して、機会損失を作らない工夫が必要です。
旅行客が利用しやすいキャッシュレス決済を導入する
諸外国では日本よりキャッシュレス決済が進んでいる国が、多くあります。日本において圧倒的に普及しているキャッシュレス決済はなく、オープンしたばかりのお店でクレジットカードが使えない事例もあるほどキャッシュレス化が進んでいません。
しかし海外ではキャッシュレス化が進んでいるため、使い慣れた決済方法が利用できないことが理由で、来店につながらない可能性があります。例えば中国からの観光客の来店が多い店舗では銀聯(Union pay)、WeChat Payなど、その国で最も普及しているキャッシュレス決済を取り入れることで、来店を促進できるでしょう。
まとめ|MEO対策はインバウンド集客にも有効
実店舗への来店をユーザーに促すためのMEO対策は、訪日外国人客であるインバウンドの集客にも利用できます。Googleマップを活用したMEO対策がインバウンドの集客施策にもなる理由は、以下のとおりです。
- 世界の検索エンジン市場でGoogleのユーザー数が多い
- サービス提供地域が豊富
- 情報が自動翻訳されるため利便性が高い
- 口コミを参考にして店舗を決める訪日外国人が多い
- 国内外のユーザーに店舗を訴求できる
集客の対象をインバウンドにする場合でも、MEO対策の基本を抑えなければ効果が期待できない点は共通しています。インバウンド向けの具体的なMEO対策は、以下の5つです。
- 日本語以外の言語でもGoogleビジネスプロフィールを表示
- 自動翻訳されない情報には英語表記を併記
- 海外ユーザーが多い旅行アプリに店舗を登録
- キャッシュレス決済の種類をGoogleビジネスプロフィールに表示
- 国内外からの口コミを増やす
新型コロナウイルス感染症による入国制限がなくなり、以前より訪日外国人客が増えています。コロナ禍で落ち込んだ売上の回復方法でお悩みの店舗経営者様は、インバウンド向けのMEO対策で店舗集客の改善に取り組んでみてはいかがでしょうか。