
「ホームページ保守の重要性や作業内容がわからない」
「サイトのセキュリティ対策・トラブル対応をどうすればよいかわからない」
など、ホームページの保守管理に悩む方は多いのではないでしょうか。
ホームページは、公開後も定期的な管理が欠かせません。適切な保守を行わなければ、セキュリティリスクや表示速度の低下、運用トラブルの原因になります。
この記事では、ホームページ保守の役割や重要性、具体的な作業内容、費用まで詳しく解説します。さらに、自社で対応する場合と外注する場合のメリット・デメリットも紹介します。ホームページ保守管理の方法を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
この記事の目次
ホームページ保守とは?基本の役割と重要性
ホームページ保守とは、サイトを安全かつ正常に運用するためのメンテナンスです。
ホームページは公開して終わりではありません。エラーを修正したり、ウイルス対策を施したりしながら、よりよいサイトを目指していきます。
たとえば、ホームページを「家」に仮定するとイメージしやすいでしょう。家は建てたあとに「外壁を修理する」または「屋根を塗り替える」などの方法で、定期的にメンテナンスを実施しますよね。建物の補修を怠れば、雨漏りやシロアリ被害などを引き起こします。
家の例と同様に、ホームページにも保守管理が不可欠です。保守管理をおろそかにした場合、次のようなトラブルが起こりえます。
- ウイルスに感染する
- 表示速度が低下する
- 表示エラーが発生する
- ハッキング被害を受ける
定期的な保守を行うことでトラブルを未然に防ぎ、企業の信頼性を高めましょう。
ホームページの保守と運用は違うの?

ホームページの保守と運用には、以下のような違いがあります。
| ホームページの保守 | ホームページの運用 | |
|---|---|---|
| 内容 | サイトの問題点を改善・修繕する | サイトを管理・更新する |
| 目的 | 安全性を高める | 利便性を高める |
| 業務の例 | ・セキュリティ対策 ・バージョンアップ対応 ・表示速度の改善 |
・コンテンツの企画や制作 ・サイトの分析 ・問い合わせ対応 |
どちらもホームページ公開後の業務を指すため「保守運用」とひとまとめで捉えられるケースも多いです。
今回は主にホームページ保守について解説しながら、運用業務に関しても適宜説明していきます。
ホームページに必要な保守管理3つ
ホームページに必要な保守管理は、以下の3つです。
- ドメインの管理
- サーバーの管理
- ホームページの管理
ひとつずつ見ていきます。
ドメインの管理
ホームページに必要な保守管理の1つ目は、ドメインの管理です。
そもそも「ドメイン」とは、サイトにアクセスするための住所のこと。サイトのURLが「https://〇.△//~」ならば「〇.△」部分がドメインとなります。
なお、ホームページのデータを保管する場所を「サーバー」と呼びます。わかりやすく説明すると「サーバーが土地、ドメインが住所、ホームページが家」というイメージです。
ドメインには契約期限が設定されています。契約状況を把握して、期限までに更新手続きを行いましょう。期限切れでドメインが失効すると、サイトが表示されなくなってしまいます。
サーバーの管理
サーバーの管理もホームページ保守管理のひとつです。
適切にサーバーを管理しなければ、表示速度の低下やサイトのダウンにつながります。主な管理内容は、以下のとおりです。
- サーバーの契約更新
- サーバーの稼働状況の監視
- ストレージやデータ転送量の管理
- 定期的なメンテナンスとバックアップの実施
企業のホームページの仕様や機能に応じて、スペックの変更を検討するのもサーバー管理業務として挙げられます。
安定したサイト運営のために、障害発生時にはすぐに対応できるような体制を整えておきましょう。
ホームページの管理
ホームページの管理が適切でないと、ユーザーにとって使いにくいサイトになってしまいます。
ホームページにまつわる管理業務は多岐にわたります。参考として、いくつかの作業をピックアップしました。
- 障害発生時の対応
- ホームページのセキュリティ対策
- コンテンツの更新と修正
- リンク切れや表示エラーのチェック
- システム・ツールのバージョンアップ対応
具体的な作業内容に関しては、以下の章で詳しく説明していきます。
ホームページ保守の具体的な作業内容

ホームページ保守の具体的な作業内容を紹介します。
- 監視とトラブル対応
- セキュリティ対策
- サイト表示速度の最適化
- ブラウザや端末のバージョンアップ対応
- データバックアップの実施と復旧対応
- コンテンツ更新・修正
- CMS(WordPressなど)のバージョンアップ
- アクセス解析・分析
- SEO対策
- 契約更新や支払い
保守管理の理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
監視とトラブル対応
サイトが安定して稼働するには、監視とトラブル対応が求められます。不正なアクセスによる攻撃を受けていないか、サーバーに負荷がかかってページの表示速度が遅くなっていないか、などを随時確認しなければいけません。
具体的にチェックする内容は、以下のとおりです。
・リンク切れやエラーページは発生していないか
・サーバーの稼働状況・ページの表示速度は問題ないか
定期的にホームページを監視して、異常が発生した際は迅速に復旧対応を行うことが重要です。
セキュリティ対策
ホームページは、常にサイバー攻撃のリスクにさらされています。適切なセキュリティ対策を講じなければ、不正アクセスやデータ改ざんの被害に遭う危険性があります。
サイトのセキュリティ対策を、いくつかピックアップしました。
| セキュリティ対策 | 目的 |
|---|---|
| SSL証明書の更新 | データの暗号化 |
| CMS・プラグインを更新 | 脆弱性対策 |
| ファイアウォールの設定 | 不正アクセスの防止 |
| パスワードの定期的な更新 | 不正アクセスの防止 |
SSL(Secure Sockets Layer)とは、インターネットにおけるデータ通信の暗号化のこと。通信データの暗号化を証明する文書を「SSL証明書」と呼びます。なお、CMSに関しては「CMS(WordPressなど)のバージョンアップ」で詳しく解説します。
セキュリティ対策には、専門的な知識と技術力が必要です。加えて、サイバー攻撃の手口は時代とともに高度化・巧妙化しています。ホームページの安全性を確保するには、最新のサイバー攻撃の手法やセキュリティ対策を把握しなければいけません。
サイト表示速度の最適化
「表示までに時間がかかり、ストレスを感じてサイトを開くのを止めた」という経験がある方も多いのではないでしょうか。
ページの読み込み速度が遅いと、ユーザーの離脱を招きます。
表示速度を改善する方法は、次のとおりです。
- 画像や動画を最適化する
- キャッシュを活用する
- 不要なプラグインを削除する
- 高速なサーバーに切り替える
サイトの表示速度を最適化して、ユーザーの満足度を向上させましょう。
ブラウザや端末のバージョンアップ対応
ブラウザやデバイスは定期的にアップデートされるため、ホームページも最新の環境に適応させる必要があります。
たとえば「Chrome」や「Safari」といった主要なブラウザの各バージョンで、問題なくサイトが表示されるかを確認します。そのほか、最新機種のスマートフォンまたはタブレットにおける、動作チェックも大切です。
バージョンアップに対応しなければ、表示崩れや機能不全が起きる恐れがあります。
データバックアップの実施と復旧対応
データ消失のリスクに備えて、定期的なバックアップを実施することも保守管理のひとつです。万が一のトラブル発生時に迅速に復旧できるよう、事前に対策を講じておきます。
サイト更新頻度にもよりますが、バックアップの頻度は1週間に1回、最低でも1ヶ月に1回が目安です。更新頻度が高い場合は、1日1度のバックアップが望ましいです。
また、リスクを分散させるために、複数方法でバックアップをとりましょう。手動と自動の両方でバックアップを行うと安心です。
コンテンツ更新・修正
せっかくホームページを公開しても更新・修正をしなければ、ただの飾りになってしまいます。ユーザーから「本当に運用しているのか」または「対応スピードが遅いのでは」とマイナスな印象を抱かれる恐れも。
もしコンテンツに誤字脱字やリンク切れが見つかった際は、速やかに修正します。製品・サービスの最新情報を、適宜サイトに反映することも重要です。
サイトを運営するなかで「サイトの強み・弱み」や「ユーザーの傾向」などが把握できたら、記事をリライトしましょう。最初から完ぺきなコンテンツを作成するのは困難です。試行錯誤しながら自社に適したコンテンツを探る姿勢が、ホームページの成功につながります。
CMS(WordPressなど)のバージョンアップ
ホームページの保守管理には、CMS(WordPressなど)のバージョンアップも含まれます。プログラムは古くなると脆弱性が目立つようになり、サイバー攻撃の対象になりやすいです。最新バージョンにアップデートすると、脆弱性を修正できます。
なお、ホームページを作成・更新するシステムを、CMS(コンテンツ管理システム)といいます。プログラミングの知識がなくても、CMSを使えばWebサイトを制作可能です。代表的なものとしては「WordPress(ワードプレス)」が挙げられます。
CMSをバージョンアップするときは、以下のポイントを意識しましょう。
- プラグインやテーマとの互換性を確認する
- アップデート前にバックアップをとる
- テスト環境で動作を確認する
バージョンの変化によりトラブルが生じるリスクを考慮して、テスト環境で動作を確認してから本番環境のアップデートを実施します。
アクセス解析・分析
ホームページの効果を最大化するには、アクセスデータを定期的に分析し、改善策を検討することが重要です。適切な解析を行うことで、ユーザーの行動を把握し、集客戦略を最適化できます。
アクセス解析の主な項目は、次のとおりです。
- 直帰率
- 離脱率
- 流入経路
- アクセス数
- ページビュー数
- ページ滞在時間
- コンバージョン率(CVR)
たとえば、SNSから流入するユーザーが少ないならば、ホームページとSNSにおける連携方法の見直しが求められます。ページの滞在時間が短い場合、コンテンツの魅力が高まるように、ユーザーのニーズを再検討するとよいでしょう。
SEO対策
ユーザーの目に触れる機会を増やすことが、ホームページをうまく活用するコツといえます。そのためには、サイトの検索順位を向上させる「SEO対策」が欠かせません。
SEO対策は「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略称です。Googleなどの検索エンジンにて、Webサイトの上位表示を目指す施策を指します。
さまざまな方法がありますが「内部リンクを整備する」や「検索意図に合ったキーワードを選ぶ」などがSEO対策として挙げられます。
契約更新や支払い
ホームページを維持するには、各種サービスの契約更新や支払い管理が必要です。
サイト運用で契約更新・支払いが発生する項目を紹介します。
- ドメイン
- サーバー
- ホームページ
- SSL証明書
- 有料ツール
手続きを忘れる恐れがあるならば、自動更新に設定するのも選択肢のひとつです。また、更新通知のタイミングで、メールが送信される設定にしておくと更新漏れを防げるでしょう。
更新手続きを怠ると、サイトの運用が停止するリスクがあるため注意してください。
ホームページ保守は自社で対応すべき?外注すべき?
ホームページ保守を自社で対応するか、外注するかで悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そんな方に向けて、ここからは自社と外注それぞれのメリット・デメリットを解説します。
自社で対応するメリット・デメリット
ホームページ保守を自社で対応するメリット・デメリットを表にまとめました。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・コストを抑えられる ・社内で柔軟に対応できる |
・時間と手間がかかる ・サイト担当者の負担が増える ・専門知識を持つ人材が必要となる |
自社でホームページ保守を行うと、外注費がかからないためコストを削減できます。自社を理解した人間がサイトを作るため「会社の魅力をうまく伝えられていない・コンセプトがずれている」などのトラブルも起きづらいです。
しかし、保守管理業務には時間と手間がかかります。常にシステムに異常がないかを監視し、トラブル発生時には速やかに対応する……、というのは担当者にとって大きな負担です。
「Webに詳しい人材がいない」または「本業が忙しく保守管理にリソースを割けない」という場合は、外注するほうがおすすめです。
外注するメリット・デメリット
ホームページの保守管理を外注するメリット・デメリットを、以下にまとめました。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・専門的な対応が可能となる ・サイトにかかる業務負担が軽減される ・最新の技術やセキュリティ対策を適用できる |
・コストがかかる ・外注先の選定が必要となる ・依頼する会社によって対応力に差がある |
外注業者は専門的なスキルと経験を有しているため、効果的な運用が期待できます。もしシステムに障害が生じても、速やかに適切な対応を施してくれるでしょう。結果として、ユーザーからの信頼度アップにもつながります。
一方で、外注先の選定には時間を要する点がデメリットです。外注企業の選び方については「ホームページ保守を外注するときの注意点」にて説明します。
自社のリソースやスキルに応じて、保守を自社で対応するか・外注するかを検討するとよいでしょう。
ホームページ保守にかかる費用相場

ホームページ保守にかかる費用の相場を紹介します。
| 最低限の管理 | 基本的な保守管理 | 高度な保守サービス | |
|---|---|---|---|
| 費用相場 (月当たり) |
約5,000~20,000円 | 約20,000~50,000円 | 約50,000~100,000円 |
| 具体的な業務例 | ・サーバーやドメインの管理 ・SSL証明書の更新 ・トラブル対応 |
・サーバーやドメインの管理 ・SSL証明書の更新 ・トラブル対応 ・サーバーの監視やバックアップ ・CMSのバージョンアップ ・アクセス解析や分析 |
・サーバーやドメインの管理 ・SSL証明書の更新 ・トラブル対応 ・サーバーの監視やバックアップ ・CMSのバージョンアップ ・アクセス解析や分析 ・コンテンツ更新 ・SEO対策 |
| おすすめな人 | ・基本的な保守管理のみを委託したい人 ・コストを抑えたい人 |
・サイトの安全性を確保したい人 ・Webに詳しい担当者が自社にいない人 |
・サイトを活用して集客率を高めたい人 ・サイトを運用する時間がない人 |
ホームページの保守費用は発注先や依頼業務、サイト規模によって変動するため、上記はあくまで参考程度にしてください。
「コンテンツ修正1回につき〇円」や「修正作業1時間当たり×円」のように、回数や時間で料金を設定する会社もあります。料金体系や追加費用の発生条件など、気になる箇所は業者に確認しておきましょう。
ホームページ保守を外注するときの注意点
ホームページ保守を外注するときの注意点を5つピックアップしました。
- 著作権や所有権を明らかにする
- 委託する範囲をあらかじめ決めておく
- 複数の会社から見積もりを取る
- 知識と経験の豊富な外注先を選ぶ
- 外注先の得意分野を確認する
以下で詳しく説明していきます。
著作権や所有権を明らかにする
ホームページの著作権やデータの所有権は、契約前に明確にしましょう。
契約内容によっては、保守業者が一部または全ての権利を持つケースがあります。自社に権利がないと「データを引き継げない」または「デザインを使用できなくなる」といったトラブルになる恐れも。
契約時に確認すべきポイントは、主に3つです。
- 契約終了後のデータ移行は可能か
- サーバーやドメインの管理権限は誰が持つか
- ホームページのデザイン・コンテンツの著作権はどこに帰属するか
注意点として、口頭での確認では言った・言わないで認識違いが生じやすいです。著作権や所有権に関しては、契約書として目に見える形で残しておくとトラブルを防げます。
委託する範囲をあらかじめ決めておく
保守の範囲が曖昧なまま契約すると、期待していたサービスが受けられなかったり、不要な費用が発生したりする可能性があるので注意してください。
サーバーやドメインの管理といった基本的な管理のみを委託するのか、コンテンツ修正やSEO対策も委託業務に含めるのかで契約内容は大きく異なります。契約を結んでから「コンテンツ更新は対応できません」と言われた場合、保守管理体制を再検討しなければいけません。
依頼したい保守内容を事前に整理し、業者と詳細を確認することがポイントです。
複数の会社から見積もりを取る
保守費用やサービス内容は業者によって差異があります。複数の業者から見積もりを取ることで「自社サイトの保守にかかる費用感」や「サイトに必要な保守サービス」を把握できます。
見積もりで比較するとよい項目は、次のとおりです。
- 月額費用(1回・1時間当たりの費用)
- サービス範囲
- 契約期間
- 解約条件
- 追加費用の発生条件
価格だけでなくサービスの質や対応範囲を考慮し、総合的に判断しましょう。「低価格だけれど品質がよくなかった」または「追加費用が発生して、初期見積もりよりも大幅に高額になった」という失敗談は珍しくありません。
知識と経験の豊富な外注先を選ぶ
ホームページの保守には知識と経験が求められるため、実績や技術力のある業者を選ぶことが大事です。
業者選定で注目するとよいポイントを5つ紹介します。
- 過去の実績や対応事例
- 保守管理が可能な範囲
- 保守業務の委託にかかる費用
- 対応スピードやサポート体制
- 担当者のコミュニケーション能力
実績や対応事例は、業者の公式サイトや口コミが参考になります。「急なトラブルでも迅速に対応してくれた」や「保守業務に関してわかりやすく説明してくれた」など。実際にサービスを受けた方の意見を聞けば、安心して業務を任せられます。
外注先の得意分野を確認する
保守業者には、それぞれ得意とする分野があります。自社のホームページに適した業者を選ぶことで、より効果的な運用が見込めるでしょう。
外注先の得意分野について、いくつかの例をご紹介します。
サーバー・システム管理、セキュリティ対策に強い業者
→安全性を確保したい大規模サイト向け
【例②】
SEO対策やマーケティングの実績が豊富な業者
→集客率を向上させたいサイト向け
【例③】
デザインやコンテンツ更新が得意な業者
→ブランディングを重視するサイト向け
ホームページの目的や運営方針に合わせて、最適な業者を選んでみてください。
まとめ:ホームページを維持するには保守管理が欠かせません
ホームページの保守とは、サイト公開後も良好な状態を維持するための管理です。
セキュリティリスクや運用トラブルを回避するには、適切な保守管理が求められます。具体的には、セキュリティ対策やバックアップ、表示速度の最適化などが保守業務として挙げられます。
ホームページの保守を自社で行うことは可能ですが、専門的な知識を持つ人材が必要です。時間と手間がかかるため、担当者の負担が増える点も注意点といえます。
「本業に集中したい」「リソースが足りていない」「Webに詳しい人材がいない」という方は、ホームページ保守の外注化を検討してみましょう!






























