
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)でパフォーマンスを見られるようだけど、どう使ったらいいのかわからないとお悩みではありませんか?パフォーマンスを正しく分析すれば、顧客がどこからどうやって流入しているのか、その後どのような行動をしたのかすべてわかります。
この記事では、Googleビジネスプロフィールのパフォーマンス(インサイト)の見方を、図解入りでわかりやすく解説しました。Googleビジネスプロフィールに訪れた顧客候補がどのような行動をしているのか適切に分析し集客への導線を作りましょう。
- Googleビジネスプロフィールのパフォーマンス分析で何がわかるか知りたい人
- Googleビジネスプロフィールのパフォーマンス分析の方法が知りたい人
Googleマイビジネス(Google My Business/GMB)という名称は、2021年11月4日に「Googleビジネスプロフィール(Google Business Profile/GBP)」という名称に変更されました。Googleの検索画面やGoogleマップから直接ビジネスプロフィールを編集できるようになり、今までよりも利便性が向上しました(2022年7月にGoogleマイビジネスアプリのサービス提供が終了)。当記事では、「Googleマイビジネス」という表記は使用せず、Googleビジネスプロフィールに統一して解説しています。Googleマイビジネス表記の記事は情報が古い場合がありますのでご注意ください。
この記事の目次
Googleビジネスプロフィールの「パフォーマンス」とは?
まずはパフォーマンスとはどのようなものか、またデータ取得の仕組みについて解説します。
パフォーマンスとは?
Googleビジネスプロフィールのパフォーマンスとは、管理画面上にある「パフォーマンス」タブで見られるさまざまな指標のこと。ネット上の顧客が行ったアクションを分析したデータを見ることができます。2022年10月に「インサイト」と呼ばれていたサービスが「パフォーマンス」に変更されました。
インタラクションの指標は毎日更新、そのほかは毎月更新され、過去6ヶ月分のデータを1ヶ月単位でいつでも確認できます。ビジネスプロフィールのどこにユーザーが反応しているか分析し適切に対策を行うことで、ネットでの集客力が向上する可能性が高まります。
Googleビジネスプロフィールを見て経路を調べたり問い合わせしたりなど、Googleのユーザーがなんらかのアクションをしたデータのことです。
データ取得の仕組み
パフォーマンスのデータは自然検索だけでなく、お金を払って上位表示させているGoogle広告のデータも含まれます。また、以下のような検索情報やユーザーの行動が取得できます。
- ユーザーがビジネスを検索した方法
- 検索に使ったキーワード
- ユーザーが検索のために使ったGoogle サービス
- ビジネス訪問時にユーザーとった行動
- 店舗への経路検索リクエスト
- 電話
- 店舗に関するユーザーの意見
これらの情報を、オーナー確認が完了しているGoogleビジネスプロフィールをすべてまとめて見たり、個別で見たりできます。
パフォーマンスの見方
ビジネスプロフィールマネージャから、「パフォーマンス」を選択すると確認できます。常にデータは収集されているためすぐに表示されます。
※自分のビジネスプロフィールが表示されない場合は、まずは「オーナー確認」が必要です。

パソコンの表示
パソコンでは以下のように表示されます。枠で囲っている部分がパフォーマンスです。こちらをクリックするとすぐにデータが表示されます。

スマホの表示
スマホ表示は以下のとおりです。左下の枠部分に表示されているパフォーマンスをタップするとデータが表示されます。

パフォーマンスで確認できる指標
パフォーマンスで確認できる指標は以下のとおりです。
- 概要
- 通話
- メッセージ
- 予約
- ルート
- ウェブサイトのクリック
- その他
デバイス(パソコン、スマホ)ごとプラットフォーム(Google検索、Googleマップ)ごとの集計では、1ユーザーにつき1日1回のみです。

ダッシュボード上部のタブを切り替えると6ヶ月前までの指標を確認できます。それぞれどのような指標なのか解説します。
概要

「パフォーマンス」にアクセスすると最初に「概要」が表示され「ビジネス プロフィールで実施されたインタラクション」のデータが確認できます。
インタラクションとはユーザーがなんらかのアクションをした回数のことです。また、下にスクロールすると、さらに2つの詳細データを確認できます。
- プロフィールを閲覧したユーザー数
- ビジネスプロフィールの表示につながった検索数
それぞれ解説します。
プロフィールを閲覧したユーザー数
パソコン、モバイルごとに、ユーザーがGoogle検索とGoogleマップのどこから検索して流入したかがわかります。1ヶ月〜6ヶ月の間で任意の期間を指定できます。

また、1日のうちに同じユーザーが何度アクセスをしても同日には1度しかカウントされません。
ビジネスプロフィールの表示につながった検索数
ビジネスプロフィールの表示につながった検索数では、検索クエリ(ユーザーが検索窓に入力した語句)ごとのGoogleビジネスプロフィールの表示回数がわかります。
枠内の「もっとみる」をクリックすると、100件までの検索クエリが表示されます。100件以上ある場合は「さらに読み込み」をクリックしてチェックしてみましょう。

たとえば、検索クエリの中に「バリアフリー」や「駐車場」などの語句があれば、それがユーザーの求めるサービスと考えられます。ユーザーが求めるサービスに対応することで、来店してもらえる可能性が高まるでしょう。
通話
Googleビジネスプロフィールの「電話」のクリック数です。スマホや電話アプリが入っているパソコンなどで、ユーザーが電話をクリックして直接電話をかけた場合に表示されます。「電話」を利用するにはビジネスプロフィールに電話番号を入力しておく必要があります。

メッセージ
ユーザーと直接やりとりできるサービス「メッセージ」で交わされた。メッセージを受け取るにはチャット機能をONにする必要があります。

メッセージへの返信率や平均レスポンスも確認できます。

予約
「予約」はGoogleビジネスプロフィールを経由してサービスが予約された回数が表示されます。予約機能はオンライン予約ツールへのリンクを追加する設定が必要です。
「無料の予約リンク」は、自社サイトのランディングページを設定しているホテルのみ適用されます。ユーザーがリンクをクリックした回数が表示されます。

ルート
Googleビジネスプロフィールの「経路案内」または「ルート」をクリックしたユーザー数です。マルチタップ(2本以上の指で行う操作)やルート検索のキャンセル、スパム(プログラムで大量に送信されたアクセス)などは集計結果に反映されないシステムになっています。

ウェブサイトのクリック
Googleビジネスプロフィールに入力されたサイトのリンクがクリックされた回数です。この数が多い場合、プロフィールにはない詳細なデータをユーザーが求め、自店舗に興味を持っていると考えられます。

その他
パフォーマンスでぇあ、その他「料理の注文」「商品」「メニュー」などの指標が確認できます。ただし、これらの指標は業種によって表示されるものとされないものがあります。詳しくはGoogleビジネスプロフィールヘルプをご覧ください。
パフォーマンスを分析して活用するための施策

ビジネスの視認性を高め検索結果で上位表示させるためには、Googleビジネスプロフィールのパフォーマンスを分析して施策することが重要です。
パフォーマンスの反応数はお客様が興味を持ってくれている証拠です。このデータを分析すると、施策の効果や季節要因、外的要因の影響など細かい情報がわかります。
具体的な施策を紹介します。
※パフォーマンスはビジネスプロフィールからダウンロードできます。
流入経路からユーザーの行動を分析する
月ごとや季節ごとにデバイスとプラットフォーム別の検索数をチェックし、ユーザーの行動を分析しましょう。
たとえば、パソコンでのGoogle検索が多い場合は情報収集のために検索していると考えられます。このような場合は、ユーザーが興味を持てる詳細な情報が必要です。一方、スマホ検索や来店する店舗をリアルタイムで探している可能性が高いでしょう。このようなユーザーには、ぱっと見にわかりやすい画像や動画を充実させると来店意欲を高められます。
Googleマップから検索している場合は、地図上の店舗を探していると考えられるため、業界全体が競合店となるかもしれません。珍しいメニューや趣向を凝らした客室などを最初のページに配置しましょう。ビジネスプロフィールを開いたときに行きたいと思わせる第一印象が大切です。

ユーザーの行動から必要な情報を把握する
まずは、アクションタイプ別(電話、メッセージ、予約、ルート、Webサイトなど)にユーザーの行動を分析しましょう。これらのデータから改善すべき点が見えてきます。
たとえば、Webサイト、ルート、電話へのクリックが多い場合、以下のようなユーザー像が推測されます。
ルート…新規の顧客が増えている、または店舗へのルートがわかりにくい
電話…ネットに慣れていない高齢者が検索している
求めていることに合わせて施策を行うとユーザーの満足度が向上し集客につながります。Webサイトを充実させたり店舗周辺に目印となる看板を置いたり高齢者が満足するようなサービスを行ったりすると、検索して来てくれる客数増加の可能性が高まります。
検索クエリから対策キーワードを見直す
「ビジネスプロフィールの表示につながった検索数」で表示される検索クエリを確認すると、ユーザーがどのキーワードで検索したかわかります。上位の語句から順に、約20件の異なった語句が見つかるまでチェックしてみましょう。
ユーザーの関心に応えるために、メニューを充実させたり視認性の良い画像を入れたりすると、検索結果の中で自店舗が選ばれる可能性が高まります。
たとえば、上位の語句に「イートイン」「電源」などがあれば、店内で食べられるか、店内に電源があるかといったサービスに関心があると推測されます。また、たこ焼き店で「ポン酢」「明太子」などの検索語句があれば、これらの味付けに興味を持っているユーザーがいるということです。
これらのユーザーの関心に応え、メニューを充実させたり視認性の良い画像を入れたりしてみましょう。検索結果の中で自店舗が選ばれる可能性が高くなります。

新パフォーマンスと旧インサイトの違い
2023年2月、Googleビジネスプロフィールの「インサイト」が「パフォーマンス」に変更されました。ほとんどの機能は引き継がれていますが、Googleから一部変更が報告されています。
- ユーザー単位でのデータを取得できる
- 「間接検索」「直接検索」「ブランド検索」がなくなった
詳しくみてみましょう。
ユーザー単位でのデータを取得できる
旧インサイトでは、同じユーザーが同日中に起こした同じアクションもすべて計測されていました。しかし、「パフォーマンス」では、ユーザーごとのアクションが1日単位で計測されるようになっています。
そのため、新パフォーマンスでは旧インサイトで計測データより数値が低くなる傾向にあります。同一ユーザーの複数アクションを除外し、より正確な情報を得られるようになりました。
「間接検索」「直接検索」「ブランド検索」がなくなった
旧インサイトでは、「間接検索」「直接検索」「ブランド検索」の区分けでデータを取得できました。新パフォーマンスではこれが撤廃され、検索語句ごとの検索数が表示されるようになっています。これにより、検索クエリごとに検索数の変化を把握できるようになりました。
旧インサイトのデータをダウンロードする方法

2022年10月から旧インサイトは確認できなくなりました。しかし、データの一部はCSVファイルとしてダウンロードできます。
ダウンロード方法は以下のとおりです。
- ビジネスプロフィールマネージャにログインする
- ダウンロードするプロフィールを選択する
- 「インサイトをダウンロード」をクリックする
- データの取得期間を選択し「ダウンロード」をクリックする
Googleは一時的な処置であるとしているため、今後データを取り出せなくなる可能性もあります。
パフォーマンスを分析するときの注意点
パフォーマンスを分析するときに、3つの注意点があります。
- 長期データで分析する
- クチコミも同時に分析する
- 目標値を明確にする
それぞれ見ていきます。
長期データで分析する
パフォーマンスのデータを見るときは長期で分析することが大切です。1ヶ月単位での比較では季節やイベントなどが影響することがあり、正確な効果が測定できません。
たとえば、お正月には旅行に行ったり買い物したりと購買意欲が向上する人も増えます。このような時期と前月と比較しても参考にならないでしょう。前年のお盆とお正月と比較して伸びているかが重要です。
長期データを取得し、前年同月で比較するとほぼ同条件で比較できます。その結果、数値の増減や定番の検索語句などを確認し、ユーザーが求めている最適な情報を得られます。
クチコミも同時に分析する
パフォーマンスのデータだけでなく、ユーザーからのクチコミの数や評価も同時に分析しましょう。クチコミの数や評価、書かれた内容により、効果の見込める対策を可視化できます。
クチコミに「モーニングが良かった」と書かれていれば、そのクチコミを見た人向けに美味しそうなモーニングの画像を載せると来店意欲を向上させられるかもしれません。また、駐車場がなくて困ったというクチコミがあった場合は、駐車場を案内する情報を追加すればユーザーの満足度が向上するかもしれません。
目標値を明確にする
パフォーマンス分析と対策を行った後には、結果についてもデータ化しておきましょう。まず、Webサイトのクリック数や、予約数、クチコミの数などの明確な目標数値を決めます。目標を達成したかどうか、その結果どうなったかを分析し、効果のあった施策を優先して対応しましょう。
まとめ:Googleビジネスプロフィールのパフォーマンスを分析して集客につなげよう
この記事では、Googleビジネスプロフィール「パフォーマンス」の見方と活用方法を解説しました。
パフォーマンスでは集客のヒントになる多くの指標が確認できます。
- ビジネスを閲覧したユーザー数
- 流入経路
- 検索語句
- ユーザーの行動
これらを分析し年間を通じて比較することで、ユーザーが求める情報やサービスが推測できます。パフォーマンスの分析によって導き出された施策を行い、新規顧客獲得や既存顧客のリピートの増加につなげましょう。