山田 英夫『成功企業に潜むビジネスモデルのルール』を読んでの備忘録

山田 英夫『成功企業に潜むビジネスモデルのルール』を読んでの備忘録

今回は『成功企業に潜むビジネスモデルのルール』を読んでの備忘録になります。
いろんな企業の見えない、ビジネスモデル(収益構造)を分析して、細かく掲載しています。
こういった本ってあまりなく、実際にある企業の隠れた収益構造また、その経緯など知ることができて楽しく読ませていただきました。

成功企業に潜むビジネスモデルのルール

Overview

外部から見ると同じようなビジネスモデルなのに、なぜ儲かる会社と儲からない会社があるのか? 多くの成功企業のケースから、ビジネスモデルの競争力の秘密を解き明かし、その差を2つの視点から解説。

「見えにくいところに、ビジネスモデルのツボがある」――本書の冒頭に掲げられた一文に、本書のコンセプトが端的に表れています。
新しいビジネスモデルの企業が一時注目を集めても、あっという間に廃れてしまうことも珍しくありません。なぜ、そうなってしまうのか? それはそのビジネスモデルに、持続的優位性がなくなるからです。
新しいビジネスモデルが失速する最大の要因は、社内のコスト構造、レガシー企業の報復、同じビジネスモデルの乱立

ビジネスモデルを見る時、我々は外部から見えやすいところばかりに目がいきますが、実は見えにくいところに、成功している企業の優位性の秘密があるのでは? そう考えた著者は、ユニークなビジネスモデルを持つ企業を数多く取材し、その謎を解明したのが本書です。思わず他人に話したくなるようなビジネスモデルの事例が満載です。
著者は早稲田大学ビジネススクール教授でビジネスモデル研究の第一人者です。「ユニークなビジネスモデル」を見つけ出す目、その語り口に大変高い評価があり、本書でも期待通りの本領が発揮されています。

Memo

見えるところはすぐに同質化される。(真似される)

セブン銀行のATMは、夜間の金庫事業の役割があった。その入金が紙幣調達コストも下げた。小銭なし、通帳なしもコスト引き下げに寄与した。後発機であることから簡単に海外のカードに対応できることができ、国外のユーザーのニーズに対応した。

セブン銀行のATMも、金利変動の波とキャッシュレス化がリスク要因としてある。ATMが「資産」から「負債」になる恐れがある。

後発企業は大手企業がやれないこと行うのが競争戦略。

成田空港のコアコンピタンスは航空系ではなく、非航空系に移行している。「場所」と「待ち時間」そして近年の「インバウンド需要」が重なり、アウトレットモールを凌ぐ売上を上げている。

エレベーター事業も保守料で売上を上げている。最近では、保守もIT化しつつある。

スタディアプリはBtoCから、BtoBtoCへ移行した。学校が提供する1つのインフラとしての需要が大きくあった。だからこそ、月額980円でも成立する。

リバイバルドラッグは、余過剰の医薬品を入札制で再活用するマッチングサイトを作っている。

ランドスケイプは、企業の顧客情報を管理するデータベースシステムを作った。事業拡大に伴い、レッドオーシャンにハマるが競争しない「競争戦略」を採用。自社の強みに特化し、他のマーケティングオートメーション会社と協力関係を築いた。

カーブスがというビジネスモデルが成功した要因は、ターゲットを「主婦」に絞ったこと、固定費が低いフランチャイジーしやすいビジネスモデル。主婦をターゲットにすることでブルーオーシャンを狙った。(他のジムと競合する戦略ではない。)

ソニー不動産は両手取引しないというビジネスモデル。アメリカなどでは、両手取引は違法。また、「おうちダイレクト」という不動産を直接売買できるプラットフォームを作った。(サイト中立性を保つため、他社でも参加可能とした。)

ライフネット生命は、営業職員によるプッシュ型のニードを喚起する人的プッシュではなく、ネット中心の営業職員を持たないことによるコストカットを目指したモデル。わかりにくい特約を廃止し、子育て世代をターゲットにした。

見えないビジネスモデルの優位性の内容としては、「コスト構造」と「競争構造」の2つがある。

「コスト構造」での優位性を得る方法としては、①やらない、②顧客にやってもらう、③既存のものと仕組みを変える、④固定費の変動費化、⑤サンクコスト(埋没費用)の回収などがある。例えば、①では、セブン銀行がBtoBをやらないであったり、カーブスが土日営業しないなどがある。②では、セブン銀行のATMの現金輸送コストは実は顧客が担っている。また、ウィキペディアなどは最たる例。③では、既存のフィットネスクラブではあるプールやシャワー等の水回り施設がない。④では、固定費の「教師への給料」を動画の再生回数などを基準にしたロイヤリティー制に変更した。⑤では、成田空港が関税検査後の場所を免税店化を進めることでサンクコストの収益化に成功した。

「競争構造」での優位性を得る方法としては、①レガシー企業の資産を負債にする、②バリューチェーンの中に入り込む(機能の代替)、③バリューチェーンの中に入り込む(機能の付加)、④同じビジネスモデルでも勝てる優位性を持っておく。
例えば、①スタディサプリは大手予備校にとっての資産である「校舎」を持たないことで、「校舎」を負債に変えた。②各銀行の無人ATM店舗を維持するコストが厳しくなった時に、セブン銀行のATMは各銀行のATMの機能を取り込む形でWIN-WINの関係を築いた。③リバイバルドラッグは、従来の卸経由でしか医薬品を調達できなかった薬局に対して、新たな医薬品調達ルートを提供した。

完璧なビジネスモデルはなく、環境・時代・ニーズによって柔軟に変えていくことが大事。業界タブーに触れないことが大事

山田 英夫『成功企業に潜むビジネスモデルのルール』を読んでの備忘録

Thoughts

今回の『成功企業に潜むビジネスモデルのルール』を自分の事業に置き換えて、
Web制作の業界で後発者としてなぜやっていけているかを少し具体的に考えてみました。

見えないビジネスモデルの優位性の内容としては、「コスト構造」と「競争構造」の2つがあるということでしたが、自分の事業は今までのWeb制作事業に比べて、斬新なビジネスモデルをしているわけではありません。

Web制作の料金

「コスト構造」において、まず一人で事業をしているという点で、大手のWeb制作会社さんと比べて人的コストが低いです。大手のWeb制作会社さんは、基本的に分業スタイルで、「営業」「デザイン」「コーディング」「エンジニア」など様々に職種が別れており分業して仕事をしています。それに比べると、フリーランスで一人でやることで人的コストは抑えることができ、大手のWeb制作会社より低コストで成果物を提供できます。
(最近はこの安さを求められてフリーランスを選択されることが多いのですが・・・)

また、3つのプランとして出来るだけ「わかりやすい料金」というのも1つの強みです。

対応スピード

「競争構造」において、全ての対応をスピーディーに行える点で優位性があります。
これは個人によるところが大きいですが、おそらくレスポンスの速さは会社さんに比べると早いです。また、土日も連絡を返すことが多いため、そういった優位性もあるります。

顧客との密接性

僕のビジネスモデルとして、一回きりの付き合いではなく、ずっと継続してサポートさせていただくということがあります。いわゆるサブスクリプションの構造は創業当初から採用しています。ですので、大手制作会社ではサポートが行き届かない細かい部分までサポートするという顧客との密接性、強みがあるのではないかと考えています。

上記はそれぞれ、僕個人だけがやっているというものではありませんし、斬新なビジネスモデルというわけではありませんが、この業界においてかなりの後発である自分がやっていけている要因であるのではないでしょうか。

Summary

今後の参考になるかはわかりませんが、知らないことが多くて、また見えないビジネスモデルを知れてとても楽しく読ませていただきました。このブログでは特に僕が気に入った部分だけ取り上げましたが、他の企業もたくさん紹介されてます。

また、事実だけではなく、この著者自身の分析などもすごく楽しく読ませていただきました。
何かやってみたい人はぜひ、『成功企業に潜むビジネスモデルのルール』を手にとってみてください。

成功企業に潜むビジネスモデルのルール録

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